近鉄大阪線旧線(旧東青山駅)
近鉄大阪線は伊勢、伊賀の境の青山峠の区間が開業以来長く単線のままでした。 そして複線化が進む中、1971(昭和46)年10月25日に旧線総谷トンネル内でブレーキが利かなくなった難波発名古屋行特急と賢島発京都・難波行特急が正面衝突するという大事故が起きてしまいました。 結果複線化が促進され1975(昭和50)年に現在の新青山トンネルが開業し伊賀上津〜榊原温泉口の旧線は廃止されました。


垣内(かいと)の集落から旧東青山駅へと通じる道。 一応駅前通だったことになりますが・・・本当にこの先に駅があるのか俄かには信じ難いような道です。 道がますます細く、急勾配になり車は乗り入れることができません。 進行方向右には結構大きな滝も見えます。 小さな沢ガニも足元をチョコチョコと歩いて行きました。


突然目の前が開けるとホームが現れます。 狐につままれたような気分です。 駅舎跡への道は失せ、一部ホームを潰してつくられた謎のスロープ付近から駅構内に入ることができました。


旧駅舎跡と思しき場所。朽ちた橋台や枕木が散乱していたり荒れ放題です。 伊勢中川側(名古屋側)に残る滝谷トンネル。 坑口から霧がモワ〜ッと出てたりトンネル天井からはセメントの鍾乳石がぶら下がっていたり気味が悪いです。


かつてのハイキングコース跡。ハイキングコースを示す案内板や入口の階段が残ってます。 ふと見上げると大きな落石が引っかかっておりゾッとしました。 下りホーム上の売店跡。岩の窪みを利用したワイルドな売店だったようです(笑)


売店前には古い自動販売機(?)が転がっており哀れさを誘います。 売店上には小屋と小さな神社がありました。 コンクリート製ののっぺりした鳥居や祠が何やら怪しげです。


現在の東青山駅。「四季のさと」という公園内に駅があります。 東青山駅を通過する特急伊勢志摩ライナー23000系。


撮影日 2003.11.03

雨の日に行ったせいで霧は出るわ、湿っぽいわでかなり不気味でした。 それでも山道から突然目の前が開けプラットホームが見えた瞬間はこれまでの廃線探訪の中で最も劇的でした。
ただし訪問する場合、駅跡とはいえ全く人気の無い山中であり、万が一事故にあったときのためにも単独行動は避けた方がよいでしょう。


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