伊奈川森林鉄道
伊奈川森林鉄道は中央西線須原駅を起点に延びていた路線で、 野尻駅起点の阿寺線や柿其線と同じ野尻営林署管轄の路線でした。
伊奈川線は須原駅から小さな峠を越えて伊奈川沿いに出て上流へ向かっていました。 途中、田光の集落から浦川線、相の沢発電所付近からは越百(こすも)線を分岐していました。 →地図


伊奈川線

伊奈川森林鉄道は木曽の森林鉄道でも比較的後期に開業しています。 一番古い伊奈川線でも1939(昭和14)年開業ですが、廃止も1964(昭和39)年と早く、25年間しか使われませんでした。


中央西線須原駅を名古屋方から見た様子。右側がかつて森林鉄道の起点があった貯木場跡。 現在は貯木場もなくなり、住宅になっています。 営林署関連の建物も残っています。長閑なスローガン看板が掛かり、何ともいい雰囲気です。




須原駅を出るとすぐに越坂の登りにかかり、頂上近くまで登って200mくらい(?)のトンネルに入ります。 現在の道路より少し下に坑口が残っています。


トンネル内部から微妙な下り勾配になっているようで湧水が奥へ向かって流れています。 森林鉄道にとっては苦手な逆勾配ですね。トンネル内にはかつての電信線がまだ残ってます。 トンネルを抜けると切通しの下。トンネルの上はどうやら民家の庭のようです。 線路跡はというと竹が倒れこんでいたりトンネルからの湧水で水溜りができてたりで進みづらい状態です。


竹薮を抜けると長閑な田園地帯。バックはさっきトンネルで抜けてきた小さな峠です。 間もなく線路跡は現道と合流、林鉄時代からのものと思われる石垣のほか道路の隅には・・・


キロポストらしき木柱が立っています。塗装や文字はすっかり剥げ落ちてますが、 位置的には1キロポストだったのではないかと思われます。 カーブしながら小川を渡る橋。ここを列車が登ってくる姿は絵になりそうですね。 この橋は道路化した際に架け替えられたもののようですが河原には林鉄の橋脚も残ってます。


林を抜けて再び橋。ここも架け替えられてますが2本目の橋脚は林鉄の橋脚を土台にして建てられています。

ここにもキロポストがあります。わざわざガードレールに括り付けられてますが、林鉄廃止後も林道のキロポストとして残されたのでしょうか?


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