下山沢線2級線
小川野平付近の与川森林鉄道下山沢線分岐点(三殿起点8,517m)から下山沢沿いに奥市沢まで延びていた6,013mの路線。 奥市沢では上山沢方面への作業軌道に接続しており、さらに現地調査では奥市沢沿いに与川峠方面へも作業軌道が延びていたような痕跡も見られました。
●路線データ
近代化遺産国有林森林鉄道全データ中部編を元に作成
()内は残存区間距離
1938(昭和13)年度小川野平分岐〜奥市沢3,016m(※)開設
(※)6,013mの間違いと思われる
1961(昭和36)年度全線廃止
帝室林野局五十年史を元に作成
1937(昭和12)年度開設1940(昭和15)年時点で総延長5,990m。工事費119,370円


@与川線より分岐した下山沢線。左下には三殿方面への与川線が続いていましたが下山沢林道が拡幅されて分岐は定かでありません。 A小さな谷をショートカットする橋脚が2本、鋼製ガーダー橋が架かっていたようです。 元は谷を迂回する現在の下山沢林道と同じルートを通っていたのが落石の危険を避けたか何かで線路改良したのでしょうか。


BAの橋梁を渡った先の線路跡上には林鉄廃止後の南沢林道工事中に1969(昭和44)年8月5日の台風7号により亡くなった5名の方の慰霊碑が建っています。 C1kmほどは舗装道が続きます。谷をショートカットするような橋脚は見られないので林道自体が廃線跡と思われます。


D林道脇に1連だけ残るコンクリートガーダー。背後には下山沢の砂防ダムが見えますがかなりの高さ。 Eその先に続いて4本分のコンクリート橋脚。 橋脚上に突き出ているボルトからすると木桁が3本並行して5連架けられていたのでしょう。


F足樽沢には国有林で御馴染みの山火事用心の横断幕があります。 G間もなく車両通行止めの国有林ゲート。その手前にはまたも並行してコンクリートガーダー橋が残っています。


Hここもかなりの高さがあるコンクリートガーダー。現役時はかなりスリリングな路線だったことでしょう。 I南沢出合付近の路傍に転がっていた木片。表面には防腐剤が塗布されておりかつての通信線電柱の残骸のようです。 森林鉄道の鉄道電話なのか事業用電話なのかはわかりません。


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