三興製紙祖父江工場専用線
名鉄尾西線の森上駅から三興製紙(現在は王子板紙)祖父江工場を結んだ3kmほどの専用線です。 戦時中トウモロコシなどから精製した航空機燃料(石油不足のためでしょうがこれは今流行の「バイオ燃料」?)を輸送するため1945(昭和20年)5月に完成しました。
戦後は製紙工場となり1963(昭和38)年まで小型蒸気機関車C351が活躍しました。(名鉄最後の蒸機)
その後はディーゼル機関車が貨車牽引に使われていたものの名鉄の森上駅貨物取扱い廃止に伴い1978(昭和53)年7月23日専用線も廃止されました。 →地図


起点の森上駅。駅集中管理システム導入後は名鉄標準の駅舎になってしまいましたが、 以前は画像のような味のある木造駅舎でした。

森上駅構内。1番線がかつて専用線につながってましたが現在は留置線として使われてます。
名鉄一宮方面は2番線、津島方面は3番線に発着します。


1番線は名鉄一宮方の本線とはつながっておらず、車止めの先は自転車置き場になってます。 専用線跡は自転車置き場の北端で県道を渡り、先の路盤跡は未舗装で残ってます。


バラストが残り、ときおり犬釘も見かける路盤跡。



レールが残っていた踏切跡。今では道路の舗装が直されてわかり難くなっていますが、 一応部分的にレールが見えてます。
撮影日:1997.11.16


以前はこのようにいかにも鉄道らしいカーブを描いた築堤が田畑の中を突っ切っていました。 今では周囲が建て込んで来た為、築堤の盛り上がりがわかり難くなってます。
撮影日:1997.11.16
暗渠の橋台跡。現在、暗渠は土管で通過しているため、橋台は埋められた上に簡易舗装されてます。




リレーボックスが残っていました。 以前はこれに気付かなかったのですが周囲の建物がなくなったせいで今回見つけることができました。 リレーボックスを施錠していた南京錠。何と名鉄の社紋が刻まれています。


その先は草が深くなります。 線路跡が手を付けられずに残っているのは県道67号線の新道用地確保のためと思われます。 農道と交差していた部分。アスファルトの割れ目から少しだけレールが露出してました。 今ではこの辺も道路工事が進んでます。


三興製紙祖父江工場専用線2へ 廃線奇行へ

inserted by FC2 system