本州製紙中津工場専用鉄道
中津川〜本州製紙中津工場(現在は王子エフテックス中津工場)総延長4.1km、作業キロ3.7qの専用鉄道でした。 手押しのナロー軌道で開業したのが内燃化、改軌国鉄蒸機化されたり、御料林の森林鉄道とも絡み複雑な歴史を持っています。

●中央製紙専用軌道(ナロー)の開業
1906(明治39)年に設立された中央製紙工場)。 翌1907(明治40)年9月には中津川駅から工場までの工事用軽便軌道が敷設され資材の搬入に使われます。 1910(明治43)年には後に恵那山森林鉄道になる工場〜杉ノ沢7kmが延長されます。
当初は手押し軌道でしたが1924(大正13)年に動力化されガソリン機関車が運行するようになりました。

●専用軌道の改軌、国鉄機の乗入れ
1948(昭和23)年に中津川駅〜工場の軌道は762mmから1067mmに改軌されます。 恵那山森林鉄道や工場構内軌道は762mmで残されましたが、国鉄中津川駅への林鉄運材列車は直通できなくなり、工場上手に中津川営林署の土場が作られました。
改軌された線路には国鉄中津川機関区のB6が貨車を牽引して乗入れ、後に機関車はC12に変わります。

●本州製紙中津工場専用鉄道の廃止
専用鉄道では1969(昭和44)年に貨物列車の運行は無くなりました。 1971(昭和46)年5月20日にD51 266を中津川市文化会館傍の保存場所まで搬入するのにC12が重連でD51 266を推進運転したのを最後に撤去されました。 D51 266はその後保存場所を移動、中津川駅近くに戻って専用鉄道沿いの本町公園に保存されています。 →地図


中津川駅名古屋方の西太田町踏切に残る側線撤去跡。 四ツ目川の橋梁跡。工場方の橋台が残ってます。


専用鉄道沿いに極上の状態で保存されているD51 266。 元は機関区の町だっただけあって大事にされているようです。このD51266こそがこの専用鉄道を最後に走った車両でもあります。 D51 266の前方を通る専用鉄道跡の遊歩道。 この緩いカーブの向こうに中央西線が通っているのですが木々に隠れて見難い状態。



切通しで中津川の市街地を抜けます。 遊歩道化されているとはいえ石積みが鉄道時代の雰囲気を色濃く残していますね。

専用鉄道を跨ぐ中山道の橋。 大正13年4月と彫られています。丁度専用軌道762o時代のガソリン機関車化が1924(大正13)年。 動力化に当たり改修を行った時に架橋したのでしょうか?


国道19号線旧道の跨線橋下には勾配標のペイントが残ります。 ここから中津川駅側へは2‰の下り勾配、工場側へは何と30.0‰!! C12が木材満載の貨車を牽いて街中で思いっきり力行していたのでしょう・・・ 専用鉄道沿いに見られる「本」の文字を図案化した本州製紙の社紋。 遊歩道沿いに多く見られますが、遊歩道を抜けて一般道に入るとあまり見られません。



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