坂下、田立森林鉄道の貨車

運材貨車は木製ボギー運材貨車、山トロリーが中心。 ボギー車は寸法が多少違うが坂川鉄道チ1形と同じようなタイプで坂川鉄道とは相互乗り入れを行っていた。
田立森林軌道では1933(昭和8)年度開業時にインクラインより上へボギー運材貨車が入線できず潤沢インクラ下〜上部軌道は山トロの独壇場だったが1935(昭和10)年度にインクラインの制動機改良によりボギー運材貨車も上部軌道へ入線できるようになった。
山トロはその後も作業軌道でなどで使われ戦後も増備されていた様子。 木製ボギー運材貨車は1950年代に入るとモノコックタイプトロに置き換えられていったものと思われる。
坂下、田立森林鉄道で使われた貨車は廃止後他の営林署に転配されたものと思われるが現存しているかは不明。 参考に同じ長野営林局内で使われた貨車の画像を載せた。


1935(昭和10)年度 田立森林鉄道、軌道、作業軌道貨車数(名古屋営林局付知出張所川上森林軌道分は不明)
昭和十年度末管内森林鉄道軌道並作業軌道機関車及貨車等調書(帝室林野局木曽支局)を元に作成
●森林鉄道、森林軌道用運材貨車
ボギー式運材貨車と見られる。
大きさ車両数車輪径車軸径軸距自重1台当たり価格備考
24304.8o69.85mm762o702kg250円00銭本局より移管の分
5304.8o60.325mm762o555kg209円07銭1934(昭和9)年度製作の分
10304.8o60.325mm762o555kg193円87銭1935(昭和10)年度製作の分
6304.8o69.85mm762o465kg144円67銭1931(昭和6)年度製作の分
※小数点以下の端数が多いのは元書類のフィート、インチをmm換算したため
●森林軌道、作業軌道用運材貨車
単台車の山トロリーと見られる。10型作業運搬車と言う記述もあり。
車両数車輪径車軸径自重1台当たり価格備考
50285.75mm50.8mm186kg41円33銭内20台は王滝出張所より移管
※小数点以下の端数が多いのは元書類のフィート、インチをmm換算したため
長野営林局の単台車の例(王滝森林鉄道 旧所属不明車 王滝村松原運動公園)


1954(昭和29)年以降 坂下営林署貨車数(坂下、田立、湯舟沢)(長野営林局統計書(長野営林局)各年度 より作成)
年月日運材貨車その他貨車(客車も含む)
1954(昭和29)年4月1日1655
1955(昭和30)年4月1日1653
1956(昭和31)年4月1日1705
1957(昭和32)年4月1日1703
1958(昭和33)年4月1日1703
1959(昭和34)年4月1日1603
1960(昭和35)年4月1日1603
鉄トロ木トロ0
1961(昭和36)年4月1日000
1962(昭和37)年4月1日200
1963(昭和38)年4月1日200

長野営林局の岩崎レール工業製モノコックボギー式運材貨車の例(王滝森林鉄道 旧所属不明 木曽町開田歴史館)

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