田立森林鉄道1級線
坂川鉄道(→坂下森林鉄道1級線)奥屋駅から岐阜、長野県境の塚野入まで延びていた森林鉄道1級線。 塚野入では同2級線と接続しており、実質1、2級線通しで運転が行われていたと思われます。 1級線区間は1928(昭和3)年に開業し、当初は帝室林野局木曽支局妻籠出張所が管轄していました。 ボギー運材貨車やガソリン機関車は坂川鉄道への乗入認可も得ていますが実際どの程度機関車乗り入れが行われていたのかは不明。 基本的に田立事業所所属機関車は田立森林鉄道内の列車牽引のようで基本的には奥屋で坂川鉄道機、1944(昭和19)年12月の坂川鉄道廃止、帝室林野局移管後は坂下運輸事業所機に付け替えを行っていたようです。
坂川鉄道廃止直後には御料林、森林鉄道運行の組織が改編され1945(昭和20)年1月に名古屋支局付知出張所の川上御料林、木曽支局妻籠出張所の田立御料林を支局間越境合併した新設の木曽支局坂下出張所管轄となります。
林政統一後は長野営林局坂下営林署と変わり、2級線は戦時中に撤去されていた区間を復活させ奥地へと延長されましたが林道事業が鉄道からが道路へ軸足が移ると1956(昭和31)年度で旧・坂川鉄道の坂下森林鉄道1級線区間が廃止されると起点だった奥屋がトラックへの中継地となります。 その後は急速に縮小が進み、1959(昭和34)年度を持って鉄軌道運材がなくなりました。


奥屋駅の新坂下側で東(左側)に分岐する道路が田立森林鉄道。 坂川鉄道跡の県道411号線は下って行くのに対し、こちらは急勾配で上って行きます。 現在起点寄りの区間は水持林道(延長1,281m 中津川市管理?)となってます。 田立林鉄上から奥屋駅方面を見た様子。坂川鉄道本線上を新坂下方面へ郵便車が通過中。


紙屋地区(駅、バス停名は奥屋ですが地区名は紙屋)中心部を抜け水持谷(紙屋沢とも)の右岸をさかのぼって行きます。 軌道跡の道路右側、ガードレールが途切れた先に何やらアヤシゲな陰が・・・ 「宮」のマークが入った用地境界標でした。周りの民有地に対し林鉄の軌道敷が宮内省帝室林野局の用地であることを示すものでした。


田立側から見た用地境界標と軌道敷跡の水持林道を見た様子。境界標の左は水持谷。 水持林道と分かれて水持谷を渡りW型に山際へ取付く軌道跡。右奥が奥屋駅方面です
マウスオーバーで線路の位置を表示。


山沿い区間に突入。この辺は既にあまり通行する人も少ない様子ですが1級線だけあって路盤はしっかりしてます。 タハタ地区の上手を山沿いに抜けて壁沢川の谷筋へと入ります。奥屋方向を向いて撮影。


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