当貝津川、鰻沢出合を橋で跨ぎ2001(平成13)年11月開通の新段戸トンネルへ吸い込まれて行く国道420号を見送りつつ鰻沢線は鰻沢へと入って行きます。 なおこの部分の軌道敷は新段戸トンネル開通前の旧国道でもあります。 間もなく旧国道は左へ、鰻沢林道は右へ分岐しますが、林鉄はまず旧国道に入り、ヘアピンカーブで鰻沢林道へと上がってきます。


鰻沢林道から左下に旧国道(鰻沢線ヘアピン最下段)のガードレールと薄緑色の車両通行止めゲートが見えます。 ヘアピンカーブ2段目は正面の藪から真っ直ぐこちらへ向かって来て・・・ 少し手前に戻った鰻沢林道ゲート付近で2つ目のヘアピンカーブ。中央左寄りの木の後ろに見える陰が築堤の断面、鰻沢林道車道化の際に切り崩されたのでしょう。


築堤上から見た鰻沢林道。鉄塔巡視路があるので林道わきから登ることができますが意外と高低差があります。 同地点で振り返るとヘアピンカーブが左の方へと続いています。鰻沢線の最小曲線半径はR=9.0mですがこの区間のことでしょうか。


鰻沢林道を歩くと間もなく鰻沢を渡ります。 林鉄時代の橋梁データがないので林鉄の橋台石積みを利用している現橋梁のデータを記します。
2号橋 全長12.44m 1964(昭和39)年1月竣工。 「近代化遺産 国有林森林鉄道全データ 中部編」(矢部 三雄/編著 信濃毎日新聞社)に鰻沢線は1958(昭和33)年度に車道化とありますが実際に車道化が完成したのは6年後だったようですね。
2号橋で鰻沢右岸に移ると狭まっていた谷が少し開けてもう鰻沢終点です。 この辺に車庫、左の沢筋沿いの緩斜面には現場事務所か宿舎と見られる建物があったようです。


軌道末端と思われる辺り。今の鰻沢林道ではただの通過点に過ぎず終着点の面影は感じられません。 林道は結構な勾配が付いており、林鉄当時は平坦だったのを改変したのか元々こんなだったかはわかりません。 通常停車場内はなるたけ勾配は緩くするものです。 段戸山軌道位置図(国立公文書館つくば分館所蔵)の鰻沢終点。車庫や事務所、宿舎らしき建物と軌道末端には転車台(?)のような円が描かれてます。 転車台は鰻沢にだけあっても起点側の竹桑田にないと用をなしませんから何か別の物を示しているのかも知れませんが。


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