津別の道立21世紀の森キャンプ場で保存されている1977(昭和52)年協三工業製10t機。
機械番号06-28-01-276。
半キャブと似ていますがキャブの欠け部分が少ない北海道独特のタイプです。 この機関車が近くの相生線津別駅で使われていたものかどうかは頼りの機関車表 フル・コンプリート版(沖田 祐作・著/ネコ・パブリッシング)にも出ていないので分かりません。 |
構内用除雪装置は丸瀬布と同じタイプで砂箱もボンネット向かって右に付いてます。 ただし丸瀬布とスノープラウの方向が逆で雪を進行方向左に押し出す通常の複線型ラッセルになっています。 配置する駅のホームやその他施設によって適宜変えているのでしょうか? |
正面から見るとキャブ形状が半キャブではないことがよくわかります。 旋回窓は左右両方に装備されています。 キャブが左右に広く取られてるのも除雪時に助士と運転士が左右端に近い位置で室内から監視し易いようにするためでしょうか? 東北、北陸などで見るロータリータイプ移動機もキャブが全幅分あります。 |
非エンジン側。キャブ形状以外は半キャブと変わりありません。 連結相手の貨車がラッセル装置と干渉しないように連結器や解放梃子は車体から下駄を履かせた位置に取り付けられているのがよくわかります。 |
近くの津別駅には実際に貨車移動機が配置されていたようですが1985(昭和60)年4月1日に廃線となるより前に貨物は既に廃止されており、当時津別駅を訪れた方からも貨車移動機を見た覚えはないとのこと。
参考までに相生線津別駅の専用線について記します。
津別駅には北見営林局営林署の津別森林鉄道が乗り入れており、駅土場で積替えが行われていました。
森林鉄道は1961(昭和36)年4月1日時点でディーゼル機9台、運材貨車349台、自動トロリー(モーターカー)5台を数えるほどの規模でしたが1963(昭和38)年度で全廃されています。
<津別駅の専用線>
|
移動機の後ろには2両の10系500番台北海道向け酷寒地仕様寝台車が連結されています。 かつて道内の移動に重要な役割を果たした寝台急行列車に使われた車両たちです。 編成は06-28-01-276+オロネ10-502+スハネ16-510。 |
1962(昭和37)年日立製作所製のA寝台車オロネ10 502。 札幌配置で函館〜札幌〜釧路の「まりも」、「狩勝」や函館〜札幌の「すずらん」で使われ、1982(昭和57)年に14系客車化で定期運用離脱、1984(昭和59)年2月ダイヤ改正に伴い廃車されたようです。 |
旧客改造のB寝台車スハネ16 510。 35系客車の一二等合造車スロハ32 34を1965(昭和41)年に土崎工場で改造。 台枠などを利用し車体を新製してオハネ17 510となりましたが、1968(昭和43)年に旭川工場で冷房化改造のため重量が増しスハネ16に再度形式変更されました。 台車はスハ43と交換したものなのか重量感のあるTR-47を履いてます。 札幌配置でオロネ10と同じ列車以外に宗谷本線の「利尻」、石北本線の「大雪」に使われ1983(昭和58)年に14系置換えで定期運用離脱、1984(昭和59)年2月ダイヤ改正に伴い廃車されたようです。 |
参考: | 機関車表フルコンプリート版DVDブック(沖田 祐作/編 ネコ・パブリッシング) |
北見営林局事業統計書(北見営林局) | |
世界の鉄道’70(朝日新聞社編集 朝日新聞社) | |
専用線一覧表(日本国有鉄道貨物局) |
移動機アルバムへ |