石山の赤いスイッチャー

21世紀に入っても滋賀県内にはまだ専用線が結構残っていました。 数年間の間に一斉に廃止になってしまい、現在では全て無くなってしまいましたが、その最後の輝きを一部記録することができました。
同じ石山駅から延びていた東レ専用線が廃止された頃、大学の用事で大阪に移動中たまたま電車から見えたこのスイッチャー。 数日後、前回スイッチャーを見た時間より早目に石山駅を訪ねてみるといつも閉まっていたスイッチャー庫が開き、スイッチャーがその前で日向ぼっこ。 少し待つとカチャカチャとロッドを動かしながら動き出しました。 初めて見る現役のロッド駆動機関車でした。
この専用線は石油輸送のタンク車が出入りしており、側線にタキ9900やタキ45000が並んでいるのが見られましたが、いつしかそれらは姿を消し、線路も赤錆びて行きました。 2009年時点では線路や古風なスイッチャー庫も残ってましたがまだ残っているのでしょうか?


機関車ギリギリの大きさで作られたスイッチャー庫前に佇む。 1965(昭和40)年三菱製の15t機。 当時三菱はニチユと同タイプのスイッチャーをつくっており、一見しただけではどちらの物か見分けるのは難しいです。 と言っても現在残っている物は三菱製もニチユ製も非常に少ないのですが・・・。



車庫の方もまた今となっては珍しい木造庫。 屋根の排気口も素朴な形状です。 模型で作ったら面白そうですね。



ロッドを回しながらゆっくり動き出した三菱15t機。 特に形式や番号らしい表記は見当たりません。DH-1という番号があるという話も聞いたことはあるのですが・・・。



車庫裏の小さな踏切を渡り工場の中に入って行きます。 工場の入口は踏切から見えるのですが、ここはトラックの搬入経路も兼ねており、併用軌道になっていました(1枚目の写真にも少し写ってますね)。 トラック1台分の幅しかないのでスイッチャーが入線する時はトラックは止められているようでした。



タンク車を駅構内へ牽き出してきました。 編成が長いので工場内では2編成に分けて荷降ろししているようで、スイッチャーも工場と駅を2往復していたと記憶しています。 3両目に見える異径胴のタキ9900も今や懐かしの車輌となってしまいました。



仕事を終え車庫へと戻る15t機。 後ろから見るとこんな感じです。 因みに警笛は一般的なホイッスルやタイフォンではなく、バスのクラクションのような音でした。



専用線に出入りしていたタキ45000形タキ45445。 積載できるものは石油類(ガソリンを除く)で、石山へは四日市からA重油を輸送していたようです。


ちょっと気になる車輌たちへ

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