春日井の走るティッシュ箱

春日井駅から分かれる王子製紙の専用線。 かつて鳥居松駅(春日井駅に改称)からは複数の軍用線が分岐していました(春日井の軍用線参照)。 当専用線も元は鳥居松工廠専用線として建設されたものです。 戦後1952(昭和27)年に工廠跡地に王子製紙の前身である苫小牧製紙が進出。 旧工廠専用線を専用線として使用し始め、2012(平成24)年7月現在も製品輸送に使われています。
また途中で愛知電機専用線を分岐していますがこちらは変圧器輸送があるときのみ大物車が入線。 こちらも入換は王子製紙専用線の日通機が担当しています。
2012(平成24)年7月現在日本車輌製のスイッチャーが2両おり、主力は35t機No.3、予備は25t機。 No.3がいるということはNo.1,2もいたと思われます。
No.1は1964(昭和39)年製日立25tロッド機(清州のキリンビール専用線より転入)。No.2は不明です。
他に1960(昭和35)年製日輸15tロッド機がいましたが新守山に転属。 新守山で廃車になって放置されているところは見たことがありますが撮影していない・・・(^ ^;)


35t機 NO.3

1974(昭和49)年製日本車輌製のセミセンターキャブ型35t機。 春日井に新製配置の日通機でNo.3という番号があるようです。 ただ部品交換などが行われたりしており出自については論争もあります。
同タイプの35t機では最初につくられたもので、名古屋市交鶴舞線のDD351も同タイプから派生したものと言えるでしょう。


春日井駅に出てきた35t機。ボンネットのティッシュ箱イラストが印象的。 夏場になるとオーバーヒート防止のためか点検蓋が開け放されたまま走るのでこのようにティッシュ箱が見えなくなります。


工場前の踏切から。編成が長いので到着する線別に編成を分割。 後ろの編成は線路上に一旦留置され、まずは最初の編成を牽き込みます。

機回しを行い、ワムハチの後ろに機関車を付け替えます。 機回しの際は時間短縮のため牽引中に機関車、貨車間の連結を解き機関車だけ加速して別線に逃げる「引き逃げ」が見られました。 そんな作業風景もワムハチとともに消え、現在は行われていません。


積込線へ転線させるため一度門からワムハチを牽き出して、今度は押し込みます。 ワムハチでは連結器同士が当たる金属音の迫力が堪りませんでした。 この門柱は旧陸軍鳥居松工廠時代からここに立っているものだそうです。 その後、線路上に留置されていた編成(コキ)を同じ手順で入換えます。 ただしコキで引き逃げは行われません。2012(平成24)年3月のダイヤ改正以降はコキ車で統一されました。 代わりに編成は長くなったような・・・



春日井駅東口にある桜との組み合わせ。 生憎の雨ですが、ここは晴れると逆光になってしまうポイントなので曇っている方がかえって良いのかも知れません。


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