大井川の丸ズーム 21001系




南海電気鉄道高野線は平坦区間と高野山方面の50‰急勾配区間が混在していることで有名です。
この平坦区間では高速運転能力、勾配区間では登坂力・ブレーキ力と言った登山電車的能力が必要となり、これらを併せ持つ電車を南海では「ズームカー」と呼んでいます。 このズームカーの初代の車両が21001系です。
1958(昭和33)年に登場したこの電車は、丸っこい車体に湘南フェイスが特徴的。 そのため「丸ズーム」と呼ばれたりもします。
21001系は南海では1997(平成9)年に全廃されました。 廃車後生き残ったものは一畑電鉄と大井川鉄道に転属し、大井川には2編成が入線。 コーポレートカラーに塗り替えられた一畑と違って、大井川では南海時代の塗装のまま活躍しています。



大代川の鉄橋を渡るモハ21001+モハ21002。 この編成は一足早く1994(平成6)年に転入しました。 なおモハ21001、21003、21004は前面の行先表示板が黄緑色、モハ21002は青のものを付けています。



モハ21003+モハ21004は1997(平成9)年転入です。パンタグラフはどちらの編成も奇数番号車(金谷方)に付いています。 元々は2丁パンタでしたが、大井川では千頭寄りのパンタグラフは撤去されています。



モハ21004を先頭に金谷を出発。 横にある速度制限35km/hを示す速度制限標は大井川鉄道の親会社である名鉄タイプのもの。 分かる人には関西私鉄と名鉄の組み合わせが何か不思議な感じに思えます。



夕方新金谷車庫から出庫するモハ21002+モハ21001。 共に元関西のスターだった京阪出身の3000系と並びます。 現在大井川本線で日常的に運用に就いている電車は近鉄16001系3編成、南海21001系2編成、京阪3000系1編成で、中でも近鉄車を優先的に使っているようで当たる確率が圧倒的に高いです。
因みに近鉄421系も在籍はしているのですが、旧型の吊り掛け駆動かつ非冷房なせいか最近運用に就いたという話を全く聞きません。



夕日を浴びて新金谷駅で出発待ちのモハ21002。 側面には古巣の南海の社紋が燦然と輝いています。 このマークが付いているのはモハ21001+モハ21002の編成だけです。


ちょっと気になる車輌たちへ

inserted by FC2 system