富山地方鉄道が鉄軌道直通用に導入したデ5000系電車。
先行して導入されたデ5000形5001〜5004とデ5010形5011〜5040の計34両の大所帯でしたが生き残りは万葉線に引き継がれたデ5022号のみとなりました。 デ5000形とデ5010形は手用制動の有無を除けばほとんど違いはなく、登場もデ5000形の方が少し先ではありますが同じ1950(昭和25)年です。 製造は以下の4社で行われました。
鉄道線の射水線、笹津線、軌道線の富山市内線、高岡軌道線の直通運用などに使われました。 高岡軌道線は1959(昭和34)年4月に系列の加越能鉄道に引き継がれ、間もなくデ5023〜5030は加越能鉄道に移籍。 1966(昭和41)年には富山新港建設のため射水線堀岡〜越の潟が廃止されると越の潟〜新湊(現在の六渡寺)は富山地方鉄道から加越能鉄道へ移管、同時にデ5021,5022,5037〜5040が加越能鉄道に移籍。 更にややこしいことに加越能鉄道で路線短縮や新車増備で余剰となったデ5027〜5030,5037〜5040は富山地鉄籍に戻っています。 加越能鉄道に残ったデ5021〜5026も廃車が進み、除雪用に改造されたデ5022号を残し、他は1971(昭和46)年までに全て廃車。 デ5022号は1992(平成4)年に車籍が抹消されたものの、高岡軌道線が万葉線(株)に移管された現在でも除雪用機械として生き残って除雪作業に活躍しています。 |
冬場以外は出番もなく米島口車庫の側線奥に押し込まれています。
車号表記などは消されているものの富山地鉄時代以来の塗装で、見た目もさほど変わりありません。 ※許可を得て撮影 |
外から見た米島口車庫。 かつて仲間たちを引退に追い込んだデ7070形(中央)も今ではMLRV1000形「アイトラム」(左)の増備により追われる立場に。 |
万葉線乗車に出かけた折、米島口車庫でパンタを上げたデ5022を車内より目撃。 慌てて電車を降りると間もなく試運転(?)なのか入出庫線に出てきました。 |
小雪のちらつく高岡市内を颯爽と走るデ5022。 車籍がない機械扱いとは言え、我々ファンにとっては立派な「電車」に変わりありません。 |
以前は米島口車庫構内にデ5026の廃車体が倉庫として置かれていましたがいつの間にやら姿を消しました。 ※許可を得て撮影 |