デキ360

愛知電気鉄道初の機関車として3台作られた凸型電気機関車。
当初は集電装置としてポールを装備、運転席の前面窓も長円形など大正ロマンを感じさせるデザインでした。 名鉄に残ったデキ361,363は1960年代半ばまでには姿を消しましたが、豊橋鉄道に引き継がれたデキ362は1968(昭和43)年にデキ210形211に改番され、1997(平成9)年の渥美線の架線電圧1500V昇圧まで生き延びました。
廃車後も田原市内の農業公園サンテパルク田原で同僚だったデワ11と一緒に保存されています。



サンテパルク田原で保存されているデキ211(元のデキ362)。後ろは同僚のデワ11。 渥美線に大型電気機関車が導入されるとどちらも本線貨物牽引よりは側線での入換が主任務となっていました。



台車は豊橋鉄道時代に当初のBrill76E-1からBrill27MCB-1に交換されています。 前照灯も2灯シールドビーム化され、ボンネット上部からキャブ上部に移動しています。 仮に名鉄に残っていても同じような改造を施されていたことでしょう。



前面両側の窓の丸味はなくなり直線的なデザインになりましたが、各部に残るアールは現在の車輌にはない優雅さを醸し出しているように感じます。



現役時代のデキ211。いつも高師駅の側線で昼寝しているところしか見てません。 この頃は名鉄7300系を譲受した頃で、夜間に甲種回送されてきた7300系を花田信号場で受け取り、高師まで牽引していたとのこと。


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