名鉄機関車列伝2



デキ250
黒一色の頃のデキ251
ゼブラ塗装のデキ251
所 属 :関西電力→名古屋鉄道→北恵那鉄道
製 造 :1952(昭和27)年 日立製作所
両 数 :2両
全 廃 :1968(昭和43)年 デキ251は北恵那鉄道へ譲渡

関西電力丸山水力発電所建設の資材輸送のために製造された30t電気機関車。 広見、八百津線経由で丸山ダム建設専用線に乗り入れていました。 ダム建設終了後は正式に名鉄に譲渡され、広見、小牧、瀬戸線等600V線を中心に使用。 デキ252は1500V昇圧改造して使用の後、1968(昭和43)年に廃車(航空自衛隊小牧基地専用線廃止に伴う余剰か?)。

 車号変遷
  関電デキ251→名鉄 1968.10→北恵那
  関電デキ252→名鉄 1968.8廃車


デキ300
ゼブラ塗装のデキ302(日車製)
ゼブラ塗装のデキ303(三菱製)
更新改造後のデキ306
所 属 :三河鉄道(現在の三河、蒲郡線)→名古屋鉄道
                ↑
      一畑電気鉄道→
製 造 :デキ301,302=1926(大正15)年 日本車輌
      デキ303〜306=1927(昭和2)〜1929(昭和4年) 三菱電機
両 数 :6両

30t級(個体差あり)のWHタイプ凸型電気機関車。
デキ301,302はデキ200形に近いスタイルですが若干小型。 デキ306は元一畑電気鉄道デキ1で、デキ303〜305と同一時期、同メーカー製のためか寸法が多少違う以外はほぼ同型機。

 車号変遷
  三河キ10→名鉄デキ301 1966.2廃車
  三河キ11→名鉄デキ302 1984.4廃車
  三河キ12→名鉄デキ303
  三河キ13→名鉄デキ304 1964.4廃車
  三河キ14→名鉄デキ305
  一畑デキ1→三河キ15→名鉄デキ306


デキ360
黒一色の頃のデキ361
ゼブラ塗装のデキ361
所 属 :愛知電気鉄道(名古屋本線東部、常滑線等の前身)→名古屋鉄道
製 造 :1923(大正12)〜1925(大正14)年 日本車輌
両 数 :3両
全 廃 :1967(昭和42)年 デキ362は1954(昭和29)年渥美線分離時に豊橋鉄道へ

愛知電気鉄道初の電気機関車。自重は20t。
デキ362は豊橋鉄道へと引き継がれ、後にデキ210形デキ211に改番されています。 豊橋鉄道移籍機についてはまた別の機会に・・・。
デキ361,363は名鉄に残り西尾、各務原、瀬戸線等600V線で貨物牽引に使われていましたが、1967(昭和42)年までに全廃されました(600V線が1500V昇圧されたことによる余剰廃車か?)。

 車号変遷
  愛電デキ360→名鉄デキ363 1967.10廃車
  愛電デキ361→名鉄 1965.5廃車
  愛電デキ362→名鉄→豊鉄→デキ211 1997.9廃車


デキ370
黒一色の頃のデキ371
ゼブラ塗装のデキ376
更新改造後のデキ379
所 属 :愛知電気鉄道→名古屋鉄道
製 造 :デキ371,372=1925(大正14)年 WH(車体 Boldwin)
      デキ373〜379=1929(昭和4)年 日本車輌
両 数 :9両
全 廃 :2007(平成19)年

典型的なWHタイプの25t電気機関車。 デキ371,372は600,1500V複電圧対応車で、かつてはパンタグラフとポールの両方を装備。
デキ373〜379はWH製のデキ371,372を模して日本車両が製造。 名鉄電機最大勢力を誇り、各線で貨物輸送に使われていました。 当時の私鉄電気機関車で同型を9両も保有していたことは特筆すべきです。
余剰や事故で昭和40年代に大部分が廃車。 デキ376,378,379だけが21世紀まで生き残り、デキ379は更新改造まで受けた。 末期はデキ378が舞木工場、376,379が瀬戸線喜多山工場に配置されていた。 喜多山工場が尾張旭検車区に移転して間もなく2007(平成19)年に全廃。

 車号変遷
  愛電デキ371→名鉄 1968.5廃車
  愛電デキ372→名鉄 1965.11廃車
  愛電デキ373→名鉄 1968.5廃車
  愛電デキ374→名鉄 1968.10廃車
  愛電デキ375→名鉄 1984.4廃車
  愛電デキ376→名鉄 2007.7廃車
  愛電デキ377→名鉄 1968.5廃車
  愛電デキ378→名鉄 2007.7廃車
  愛電デキ379→名鉄 2007.7廃車


デキ400
黒一色の頃のデキ401
ゼブラ塗装のデキ401
更新改造後のデキ401
所 属 :愛知電気鉄道→名古屋鉄道
製 造 :1930(昭和5)〜1931(昭和6)年 日本車両
両 数 :2両

名鉄唯一の箱型電気機関車。自重40t、当初は大型パンタを前後2丁装備する勇ましい姿でした。 貨物列車では名古屋本線や三河線等東部地区を中心に使われたようです。 現在では2両とも更新改造を受け、線路工事用の砂利輸送列車の前後に付きプッシュプル運転をしています。

 車号変遷
  愛電デキ400→名鉄→デキ402
  愛電デキ401→名鉄


デキ500
黒一色の頃のデキ501
ゼブラ塗装のデキ501
所 属 :上田温泉電軌(現在の上田電鉄)→名古屋鉄道→岳南鉄道
製 造 :1928(昭和3)年 川崎造船所
両 数 :1両
全 廃 :1970(昭和45)年 1969(昭和44)年に岳南鉄道貸出の後、譲渡

上田温泉電軌北東線(後の真田・傍陽線 1972(昭和47)年廃止)開業時に用意された40t電気機関車。 上田では貨物があまりなくて持て余し、相模川の砂利輸送で活況を呈していた小田急へアルバイトに行ったりしたもののお払い箱となり名鉄へ。 1969(昭和44)年には1500V昇圧で機関車を求めていた岳南鉄道へ貸出、そのまま譲渡(名鉄では1形式1両なので邪魔になったか?(^ ^;))。
波乱の生涯を送っているものの2012(平成24)年3月の岳南貨物廃止まで日曜以外はほぼ毎日区間貨物、入換仕業に就いていた。 イベント用でしばらくは車籍を有するようだが今後どうなるか見守りたい。

 車号変遷
  上田温電デロ301→名鉄デキ501→岳南ED501




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