名鉄機関車列伝5



GB−10
GB-10 ※塗色は推定
GB-11 ※塗色は推定
常 備 :トヨタ本社工場(トヨタ自動車前)
製 造 :1956(昭和31)年? トヨタ自動車製造
両 数 :2両
全 廃 :1971(昭和46)年

珍しいトヨタ自社製のガソリン機関車。 GB10が10t機、GB11が11t機だったようです。 GB-10、11は大体よく似ていますが、若干の個体差がありました。 挙母線トヨタ自動車前(現在は同位置に愛知環状鉄道三河豊田駅)から分岐していたトヨタ本社専用線で使用。 駅から工場までは電化されて直接名鉄電機が乗り入れており、工場から出てくることは無かったようです。
製造年に関してGB11は1937(昭和12)年とする資料もあります。 GB10も1953(昭和28)年製造、そして1969(昭和44)年に国鉄東海道本線刈谷分岐の豊田自動織機、愛知製鋼線に転じたらしいことも・・・。 両機ともスタイルは戦前の内燃機関車黎明期のものに近く、以前から無車籍で存在していたのが1956年に名鉄籍に入ったとも考えられそうです。


DB−10
DB-12 ※塗色は推定
常 備 :トヨタ本社工場(トヨタ自動車前)、トヨタ元町工場(土橋)
製 造 :1959(昭和34)年 加藤製作所
両 数 :1両
全 廃 :1975(昭和50)年

加藤製作所製の8t機。キャブ屋根の曲線に沿った垂れ目の前面窓がユニークです。 トヨタ本社工場や元町工場の専用線で使っていたようです。


DB−15   常 備 :日本車輌(東名古屋港)
製 造 :1973(昭和48)年 日本車輌
両 数 :1両
全 廃 :1988(昭和63)年

今のところ写真が見つからないので分かりませんが、15t機であることや車体寸法から以下の写真のような標準的15t機だったと思われます。 築港線東名古屋港の日本車輌大江製作所専用線で使用されていました。 日車大江製作所は衣浦工場へ移転して1984(昭和59)年に閉鎖されています。 航空写真で見ると専用線の撤去は移転より前のようです。 DB15は実車が不在で車籍のみ1988(昭和63)年まで残っていたのでしょうか?
因みに当機以前の日本車輌工場内入換機は名鉄の車籍を持っていませんでした。
比較的新しい車輌ですが、廃車後は他所に転出したのかなどは不明です。


DB−20
DB-20 ※塗色は推定
常 備 :名古屋パルプ(ライン遊園)
製 造 :1956(昭和31)年 日本車輌
両 数 :1両
全 廃 :1963(昭和38)年

ジャック軸付きロッド駆動の20t機。 機関車らしいナンバープレートが付いていました。 広見線ライン遊園(現可児川)駅から分岐していた名古屋パルプ(現在は大王製紙)専用線で使用。
名鉄で廃車後は日車で再整備の後にDB20の車番もそのまま日新電化へ転売されたそうです。 酒田港の専用線で再起したのでしょうか?


DB−30
DB-31 ※塗色は推定
常 備 :トヨタ本社工場(トヨタ自動車前)、トヨタ元町工場(土橋)
製 造 :1960(昭和35)年 日本輸送機
両 数 :2両
全 廃 :1988(昭和63)年

今でも時折見かけるいわゆる「半キャブ」タイプの10t移動機。 DB-31が土橋の元町工場線、DB-32がトヨタ自動車前の本社工場線にいたようです。 DB-32は1975(昭和50)年廃車、DB-31は1988(昭和63)年廃車とありますが、実際にはどちらも廃車時期より早く専用線使用が停止されており、どこかに留置されていたのでしょうか?


DB−40
DB-40
常 備 :愛知製鋼(聚楽園)
製 造 :1960(昭和35)年 加藤製作所
両 数 :1両
全 廃 :1995(平成7)年

国鉄標準型入換動車タイプの10t機。 名鉄で最後まで残ったDLです。 聚楽園の貨物営業は1984(昭和59)年で終了しており、その後は長い間側線に放置されていました。 95年と言えば管理人自身も見ているはずの時期ですが、見落としていたようですorz


DB−45
DB-45
常 備 :DB45=愛知県営側線(名電築港)、DB46=愛知製鋼(聚楽園)
製 造 :1960(昭和35)、1961(昭和36)年 日本輸送機
両 数 :2両
全 廃 :? DB-45は名古屋臨海鉄道引き継ぎ

ロッド駆動の20t機。 DB-45は1960(昭和35)年製で県営側線の日通機、DB-46は1961(昭和36)年製で愛知製鋼に配属(GB-8の代替?)されていました。
DB-45は1965(昭和40)年に県営側線ごと名古屋臨海鉄道に引き継がれ、引き続き汐見町ヤード等の入換に使われて1983(昭和58)年に引退しています。 DB-46についてはその後どうなったのか不明です。


DB−50
DB-51
常 備 :愛知県営側線(名電築港)
製 造 :1961(昭和36)年 加藤製作所
両 数 :1両
全 廃 :1965(昭和40)年 名古屋臨海鉄道引き継ぎ

加藤製作所製としては比較的大型のロッド駆動20t機で日通機です。 DB-45同様名古屋臨海鉄道に引き継がれています。 名古屋臨海では1989(平成元)年まで使われていたようです。


DC−60
DC-61
常 備 :愛知県営側線(名電築港)
製 造 :1963(昭和38)年 加藤製作所
両 数 :1両
全 廃 :1965(昭和40)年 名古屋臨海鉄道引き継ぎ

加藤製作所製としては大型で珍しい3軸ロッド駆動の25t機。 DB-51をより大型化したようなスタイルでこれも日通機です。 同機も名古屋臨海鉄道に引き継がれ、1995(平成7)年まで生き延びました。




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