名古屋市交通局鶴舞線と桜通線の車両が所属する日進工場での車輌入換と非常時の救援用に使われるディーゼル機関車。 1977(昭和52)年3月18日の鶴舞線部分開業(伏見〜八事)前の、1976(昭和51)年に日本車輌で製造された35tセミセンターキャブ機です。 基本的には日車標準型35t機ですが、防音構造でDE11 2000のように台車回りがスカートですっぽり覆われた独特の姿。 側面にはDD35 1の立派なナンバープレートも付いていますが無車籍です。 現在は地上にある工場内での入換につかわれていますが、1978(昭和53)年10月1日の八事〜赤池の開業前は地下線内の八事にあった仮車庫で使われていました。 伏見〜八事の開業前、1976(昭和51)年8月には電車に先行して荒畑〜御器所の本線上に設けた地上開口部からクレーンで搬入され、後に続く3000形1次車を開口部から八事の仮車庫まで本線上を牽引回送するのに活躍。 地下線で使われる内燃車両というと保線車両では珍しくありませんが、無車籍とはいえ35t級の機関車となると珍しい存在です。 |
廃車となった3000形第2編成を従えて建屋の外に出ていたDD35 1。 すっぽり覆われた下回りが目を引きますが、上回りも防音のため密閉構造でルーバー位置など標準機と違いが見られます。 ラジエターグリルの前には冬季に寒風が入るのを避けるためと思しきシートが手摺から下がって名古屋市営地下鉄のエンブレムを隠してしまっています。 北国のスイッチャーにはよく見られるアイテムで、名古屋も冬は冷たい伊吹おろしが吹き荒れますので・・・(((> <))) |
普段は上屋内に収まっており、極たまにしか外に出て来ません。
この時は廃車からの部品取り作業でもしている様子でした。
普段は建屋内に収められているせいか塗装はきれいな状態。 名古屋市交通局で防音スカート装備といえばDD35以前にも市電1900、2000形があり、「無音電車」と呼ばれていました。 そのうち2000形2017号は同じ日進工場内のレトロ電車館で公開されています。 |
前照灯が付いて動き出したDD35 1。 工場・車庫は谷底にあり、その上は住宅街。 防音構造のおかげでエンジン音も静かなもの・・・むしろ背後を通るトラックが煩くてよく聞き取れません(^ ^;) 汽笛は一般的なホイッスルなのですが、何だかとぼけたような音色でした。 |
3000形を留置線に置いて、試運転線上を引き上げてくるDD35 1。 動画キャプチャーをトリミングしたあまりよくない画像で申し訳ありませんが、今度は非エンジン側。 こちらは遮られずに地下鉄マークが見られます。 |
特徴的な連結器部分を拡大。 自動連結器の横にあるのは中間車用の棒連結器のアダプターのようです。 アームを回転させてナックル状になっている部分を自連に噛ませると棒連結器に早変わりということでしょう。 連結器は前後とも同様の構造となっています。 |
参考: | 日車の車輌史 図面集-戦後産業車両/輸出車両編(日本車両鉄道同好部編著 鉄道史資料保存会刊) |
名古屋の地下鉄メモリアル50(名古屋市交通局(総務部広報広聴室) |