西浜の蓄電池機関車



赤穂線天和駅横にある三菱電機系統変電システム製作所赤穂工場へ専用線が延びています。 専用線は播州赤穂寄りの西浜貨物駅から分岐していることになっていますが、西浜貨物駅はセメント輸送廃止後は実質廃駅状態。 赤穂線は変圧器輸送があるとき以外貨物列車は走っていません。
この専用線ではディーゼル機関車ではなく蓄電池機関車が使われています。 車両工場などではバッテリー機が増えてきてますが、専用線では珍しい存在です。 1954(昭和29)年三菱電機自家製20t機(ナンバーからすると25t機っぽいのですが?)で、元は伊丹工場の専用線で使われていたとのこと。 凸型ボディーのキャブ側面にはBB251という小ぶりなナンバープレートも付いています。
見た目はそう際立った特徴もないプレーンな顔付きで、パンタを付けたらどこかの私鉄にでもいそうなスタイルですが、類似機というのも特に思い付きませんね。



車庫から出てきたBB251。運転席は海側(奥)にあり、反対の山側(手前)にはボンネット前後に運転席からの死角を埋めるためミラーが付いています。 前後ボンネット内にはバッテリーが納まっているはずです。 ボンネット上の蓋を開けてクレーンでバッテリーを出し入れするのでしょう。



BB251の側面山側。 海側は工場内なので見ることができませんが、過去の趣味誌で紹介されていた写真を見ると乗務員扉は点対称配置、ナンバー上に区名札差のようなものが見られます。
床下にはエアタンク2本とコンプレッサがぶら下がっています。 2軸なので各車軸内側にに大きな主電動機があるのがよく見えます。 スローで動くだけなので駆動音は微かにしか聞こえませんがやはり釣り掛け式でしょうか。



今回BB251が動いたは前夜に到着していたシキ801B1を工場内に引き込むため。 この授受線まではJR貨物の電機が乗り入れるため架線が張られています。


騒音問題もあってか入換中に警笛は鳴らさず。 タイホーンは点対称配置ではなく前後とも端梁下の山側に付いていました。

キャブ側面窓上にはホイッスルが付いてますがこちらは何だか後付けっぽい感じ。 ホイッスル本体まで黄色く塗られてますが鳴るのかな?(^ ^;)


シキを連結すると一旦JRとの連絡線へ出て、工場内へ入る線が分岐する奥の側線へ移動。 シキをゆっくりと工場内へ押し込んでいきます。その後変圧器を積み込み4日後に出荷された様子。


参考:トワイライトゾーンMANUAL16(名取 紀之編 ネコ・パブリッシング) 三菱電機のバッテリーロコとシキ アルバムの写真から(瀬野 得也)

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