住友大阪セメント伊吹工場専用線
JR東海道本線近江長岡駅から住友大阪セメント(大阪窯業セメント→大阪セメント→)伊吹工場まで延びていた3.7kmの専用線です。 1952(昭和27)年に開業し1956(昭和31)年には電化されて電気機関車いぶき500型2両が導入されセメントや資材を運んでいました。 しかしトラックへの輸送転換により1999(平成11)年6月28日の運転を最後に専用線は廃止されました。
現在では合理化のため伊吹工場自体がセメント生産を止めてしまっています。 →地図


近江長岡駅東側にはかつてヤードが広がり黒や灰緑色のタンク車が並んでいました。 東海道本線から北に分岐すると一部盛土が崩されていますがそこから先は架線柱が並んでいます。



架線柱の列は前方の伊吹山の麓を目差して行きます。 踏切の遮断機が降りていることを示していた信号機も残っています。 因みに交差する道路は東海道本線旧線の廃線跡です。 東海道本線旧線の廃止は1899(明治32)年なので専用線が開通する半世紀前には既になくなっていたことになります。


天野川にはレール付きで鉄橋が残っています。 この先線路は草に覆われレールも隠れてはいるもののかなりの部分で残っているようです。 新幹線と交差しぐるりと小さな山の裾を回り込みます。


山裾に小さなレールで組み上げられたホッパーの跡がありました。 かつてはここに側線が入り込んでいたようです。 かなり古いようですがいつ頃使われていたものかはわかりません。 山裾から離れると今度は弥高川の堤防へと大きくカーブを描きながら上って行きます。


弥高川の堤防上にある線路跡。レールは外されているもののその辺りに置きっ放しになっていました。 国道365号線(東海道本線旧線跡)をくぐりさらにトンネルで弥高川をくぐっています。 トンネル内はレールがそのまま残っていました。


工場までの勾配緩和のためか近江長岡からしばらくは真っ直ぐ工場に向かわず大きく蛇行しながら線路後が続いています。
僕は専用線現役時に一度だけ列車を見てますが、旧型電機牽引の長い貨物列車が伊吹山の麓をうねうねと行く様子は圧巻でした。 撮影しなかったことが悔やまれます。(T T)


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