1949(昭和24)年度 坂下営林署田立経営区の機関車(田立森林鉄道所属車)
 型式購入年月自重台帳価格備考
C1931(昭和6)年9月19,879円日本車輌製 旧番No.24→新番No.19?
D1934(昭和9)年8月19,879円Bと同一個体か?加藤製作所製 旧番No.37→新番No.29?
坂下営林署部内田立経営区第六次編成経営案説明書 昭和24年調査 昭和26年実施(長野営林局)を元に作成
備考欄は木曽谷の森林鉄道(西 裕之/著 ネコ・パブリッシング刊)より推定


坂下営林署全体では蒸気機関車1両、内燃機関車5両が在籍。 当初は施業単位の経営区が坂下出張所統合前の区分を踏襲して田立、川上、湯舟澤で分かれておりそれぞれの帳簿が存在した。
蒸気機関車は旧・坂川鉄道1,2号のどちらかのはずだが番号は不明。 田立経営区の 坂下森林鉄道1級線区間へは各経営区から直通、又は坂下の運輸事業所機が引き継いでいたものと思われる。 車両配分は坂下運輸事業所2(1台は蒸機)、各製品事業所は田立2、川上1、湯舟沢1の配置と思われる。

1954(昭和29)年以降 坂下営林署機関車数(坂下、田立、湯舟沢)
年月日ガソリン機関車
GL
ディーゼル機関車
DL
在籍車の車番(推定)
赤字は特殊軽量機関車
備考
1954(昭和29)年4月1日71GL : No.2,4,8,29,40,51,103
DL : No.73
1955(昭和30)年4月1日71GL : No.2,4,8,29,40,51,103
DL : No.73
1956(昭和31)年4月1日62GL : No.2,4,8,29,40,51,103
DL : No.25,73
No.25上松運輸署より転入
1957(昭和32)年4月1日52GL : No.4,8,29,40,103
DL : No.25,73
No.2(湯舟沢)廃車、No.51上松運輸署へ転出
1958(昭和33)年4月1日42GL : No.4,8,29,40
DL : No.25,73
No.103王滝署へ転出
1959(昭和34)年4月1日32GL : No.4,8,29
DL : No.25,73
No.40野尻署へ転出
1960(昭和35)年4月1日22GL : No.4,29
DL : No.25,73
No.8(湯舟沢)廃車
1961(昭和36)年4月1日22GL : No.4,29
DL : No.25,73
 
1962(昭和37)年4月1日12GL : No.29
DL : No.25,73
No.4廃車(湯舟沢 1961年12月)
1963(昭和38)年4月1日02GL : -
DL : No.25,73
No.29上松運輸署へ転出
1964(昭和39)年4月1日00GL : -
DL : -
No.25、No.73野尻署へ転出
GL、DL車両数は各年度の長野営林局事業統計書(長野営林局)元に作成、在籍車の車番、備考は木曽谷の森林鉄道(西 裕之/著 ネコ・パブリッシング刊)より推定

浅野物産(浅野物産は販売元で製造は浅田鉄工所)製4.5t機関車No.25。 1933(昭和8)年購入でガソリン機関車が主流だった当時としては珍しいディーゼル機関車。 製造当初はドイツMAN社製のディーゼルエンジンを積んでいたが坂下にいた頃は標準的な三菱KE-21に載せ替えられていた様子。 1956(昭和31)年に王滝署より転入し坂下署の林鉄全廃後は野尻署へ移籍している。 同型車は3台入っている(新番No.24〜No.26)がそのうちの1台が林野庁映像アーカイブ木曽御料林木馬、機関車(木曽御料林1937(昭和12年) 製作:帝室林野局)の3:19〜3:36に写っている。 ウグイ川線黒淵停車場で分岐する小俣線へ入って行く空車列車なので王滝出張所(後の王滝営林署)所属機と見られる。
1936(昭和11)年購入の酒井工作所製4.1tガソリン機No.40(旧番No.48)。1958(昭和33)年に野尻署へ転属しディーゼルエンジンに載せ替えられた様子。 台枠の陽刻がアルファベットかカタカナかの違いはあるが飛騨小坂のひめしゃがの湯で保存されているNo.33(旧番No.41)とほぼ同型。
1947(昭和22)年購入の酒井工作所製4.5tガソリン機No.73(旧番No.87)。 エンジンは昭和29年以前にディーゼルに換装された様子。坂下林鉄で2色塗り分けにしている写真を見かけた唯一の機関車だが何の資料に載っていたかを失念してしまった。 キャブ周りを改造されておりキャブ上方が継ぎ足されている。 1963(昭和38)年に野尻署へ転属している。


岩手富士産業K-22D形特殊軽量機関車。 写真はNo.103と同型で高知県馬路村魚梁瀬で保存されている元・大阪営林局新宮→鳥取営林署機。
デッドウェイトのバラストを載せることで自重を1.9t〜2.5tと変化させることができる。 No.103は1952(昭和27)年製造で自重2.0tだったようだ。 エンジンはガソリンエンジンでNo.103は大宮F-V4-25(岩手富士と同系列会社だった大宮富士産業→富士重工業製と見られる)を搭載。 変速方式も自動遠心クラッチで機関車よりモーターカーに近いが両運転台方式なので他の機関車やモーターカーのように車体の方向転換や運転手が体を捻って運転する必要はない。
左写真中央のレバーはブレーキで他の駆動関係の機器は動態化復元時に新しいものに交換されている。

その他の機関車
No.2,4,8はホイットコム3.0〜4.0tガソリン機関車で湯舟沢所属ということなので次ページにまとめた。
No.51は酒井C形板台枠ガソリン機関車ではないかと思われるが詳細不明。
このほか協三工業製特殊軽量機関車の写真を見たことがあるが今のところ坂下営林署に該当車を確認できていない。 木曽の協三特殊軽量機は王滝営林署No.100の1台だけのはずだが未確認の車両がいたのかあるいは王滝署から一時的に借り入れていたのかも知れない。


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