塚野沢を渡る箇所では林道脇に田立の滝側の橋台が残っています。 塚野沢付近に塚野製品事業所があったらしいのですが今となってはどこかわかりません。 この先は田立の滝入口で田立製品事業所があった馬小屋まで軌道敷がそのまま飯森林道になっています。 併用林道なので一般車乗入は可。軌道跡なので比較的平坦な道ですが未舗装なので悪路と思っておいて下さい。 まあ・・・林道としては普通かな(・・)


殆どの区間が道路化されてますが転用されなかったトンネルもあります。 奥屋側の坑口は道路化の影響で大部分が埋められてますが他は殆んど無傷と言っていい状態。 内部は全てコンクリート巻き立てが行われており素掘り区間はありません。 トンネルの潤滝側坑口。 2015(平成27)〜2016(平成28)年にかけて伐採作業が行われたので見通しが良くなりました。



トンネルの中から見上げると上部軌道の通る山が迫ります。 とは言えまだまだ上部軌道との高度差はとんでもないレベル。 あそこまで2段のインクラインと中部軌道を介して1本のレールでつながっていました。(マウスオーバーで上部軌道を表示)



田立の滝入口で下から登ってくる道路と合流し舗装道路になりますがまた山中に入ると林道の上に潤滝インクラインへ向かう軌道跡の石積みが見えます。



谷の奥にある潤滝。 インクラインはどの辺にあったのか今となっては分かりません。


インクラと中部軌道は未探索です。と言うより落石多発地帯でこんなスペックの軌道探索は幾らなんでも・・・(^ ^;)
最急勾配がほとんど45度近くって・・・
1933(昭和8)年度の田立森林軌道開業当初は潤滝インクラ下から上の軌道へは単台車の山トロしか入れず、インクラ下で山トロからボギー運材貨車への積替えを余儀なくされていました。 1935(昭和10)年度にはインクラインの制動装置に改良を加えボギー式運材貨車のインクラ区間乗り入れが可能となり貨車の上部軌道〜新坂下駅直通が実現しています。

●潤滝インクライン
延長504m、最急勾配39度、平均勾配31度
●中部軌道
延長612m、最急勾配50‰、平均勾配25‰、最少半径13m
短距離のインクラ連絡軌道で当初は山トロの手押しを行っていたが1935(昭和10)年度にボギー運材貨車のインクラ直通運転を行うためハーレーダビッドソン改造機関車で運材貨車引き上げを行うようになった。

林業上の器具機械又は装置の新考案:昭和一一年懸賞入選(大日本山林会)より転載
中部軌道で使用されたハーレーダビッドソン改造機関車
●前沢インクライン
延長411m、最急勾配43度、平均勾配34度


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