第23号桟橋(全長4.0m)を過ぎると久し振りに40‰を下回る20‰区間に入ります。 起点より7qに渡り本谷線軌道敷を利用していた東海自然歩道が裏谷へ向け登って行くのに対し本谷線は直角に曲がり第2号橋梁(全長26.0m桁3.0m×1連+桁4.0m×2連+方杖×1連+桁4.0m×1連+桁3.0m×1連)で本谷側を渡り左岸へ移ります。


第貮號橋梁図(国立公文書館つくば分館所蔵)
第2号橋梁の図面。本谷線起点の椹尾谷を渡る第1号橋梁以来の橋梁(他は全て桟橋)です。 急カーブのため起点側の桁3連がR20で曲がったカーブ橋になっていました。


方杖橋を支えていた橋脚だけが残り、桁橋部分の橋脚は流されたのか残ってないようです。 残った橋脚も対岸の本谷側の物は派手に転倒しています。丁度この橋梁上が本谷線起点7q地点。 対岸の県道33号線から見た第2号橋梁アプローチ部の築堤。 ここからは軌道敷が県道の道路式に飲み込まれてしまうため直接の軌道跡はほとんど見られなくなります。


県道沿いにある湧水の水神様。 森林鉄道開業後に出来た水場でした。急勾配でガンガンに炊かれた機関車のエンジン冷却水もここで補給していたのでしょうか。 今でも水汲みに訪れる人が多く集まる場所です。 起点より8,780m地点では本線から分岐して川側に車庫が置かれていました。 距離からするとこの道路脇の平場が該当すると思われます。 列車は田口の事業所から出てその日中に戻るのが基本だったようですが、本谷で滞泊することもあったのでしょうか。


車庫跡には建物の基礎か水槽の跡のようなコンクリートの残骸が見られました。 本谷線最急65‰の勾配を上り詰めると起点より9,500mの本谷終点にたどり着きます。 丁度県道33号線がヘアピンカーブで本谷川から分れて裏谷へ向かう山越えに掛る辺りが終点だったようです。 事業地からここまでは索道で木材が運ばれ盤台で運材貨車に積み込んでいたのでしょう。


段戸本谷軌道停車場平面図(国立公文書館つくば分館所蔵)
本谷停車場の平面図。 第29号桟橋(全長6.0m現在の県道33号線「水源橋」の位置か)を渡って線路が二股に分かれて終点になっていました。 帰りの積車は機関車牽引でなく乗り下げを行うためか機回し線がない櫛型の配線になっています。


田口森林鉄道本谷線6へ 新城営林署の森林鉄道TOPへ


inserted by FC2 system